2017年10月16日 雨の日の散歩
鍼灸師よっちゃんです。
今日は寒い日。そして冷たい雨。
天気予報でも、「12月中旬並みの気温。」と言っていた。
10月でここまで寒いのは、記録的らしい。
でも、当然カイルには関係なし。
いつものように、元気に散歩をせがんでくる。
ちょっと外に出てみる。体感気温は10℃あるかないか。
たまらずダウンを着込む僕。
普段は大勢いるランニングや散歩の人も
さすがに今日はお休みしているのだろう。
人影まばらないつもの散歩道を
元気いっぱいのカイルと歩く。
家に戻ると、ヒーターがついていた。
気づくとカイル、ヒーターの吹き出し口にべったりくっついて寝ている。
あ、お前も寒かったわけ?
やけどしそうで危ないから、間に椅子を置いて距離を取る。
しかし気づけば、椅子の脚の間に顔を突っ込み…
結局、椅子を押しのけ、やはりヒーターの前にべったりと自分の居場所を確保。
仕方がないので、ヒーター消しました…。
カイル、なんだかネコ化してないか?
そういえば、モップを使うとじゃれついてくるし(笑)
2017年10月 ピーチの思い出
鍼灸師よっちゃんです。
前回に引き続き、過去のパピーたちの思い出を…。
二代目ピーチはとにかく、「落ち着いた犬」という思い出が強い。
散歩に出れば、まわりの男子(犬)にもモテモテ。
最初から落ち着いて、指示がよく聞ける犬だった。
小さいときからダウンで30分近く待っていることができたり、
「ゆっくり」と声をかければゆっくり歩いてくれたり。
グッピーと比べてしまうと悪いけど、とにかくお利口という感じ。
TPOをわきまえている、というのかな。
こちらの扱いが違うわけではないから、性格が違うんだろうなぁ。
……と、今となっては「いい子ちゃん」な印象が強いピーチだが、
当時の報告書を眺めていると、あれ?そうでもなかったようだ。
「ルンバに戦いを挑んで吠えている」
「子供たちが大好きで、飛び乗っている」
そして極めつけは…
「グッピーに引き続き、ピーチも干しミミズが大好きです」
ピーチも拾い食いをしていたなんて、全く記憶に残っていなかった。
それなりに大変だったんだなぁ。思い出は美化されるものです。(笑)
グッピーのころに比べると子供たちも成長し、お世話をするにも貴重な戦力となった。
トイレやレクチャーの準備など、日々の細かい世話は妻がしてるが、
長女がグルーミングや耳掃除などのケアを、こまめにしていた。
僕は引き続き、朝の散歩担当。
そして次男は、永年ごはんがかり。
ごはんをあげるだけ、と侮るなかれ。毎日忘れずにするのは結構大変なのだ。
それに、ごはんがかりはいつも、絶対的一番人気。という気がする。
なんだか彼自身がごはんとして見られているのではないかというくらいの熱い視線。
ピーチとは、盲導犬協会の募金活動にも参加したことがあった。
子供たちも一緒に、大きな声で募金を呼び掛けた。
みんなで海に出かけたことも思い出に残っている。
初めて海を見たとき、グッピーはためらわずにじゃぶじゃぶ入っていった。
でも、ピーチは波打ち際でいつまでもウロウロ。
子供たちが海に入ろうとすると、今までになかったような大きな声で吠え、
水着をくわえて連れ戻そうとした。
ピーチなりに危険を感じて、「行っちゃだめだよ」と教えてくれていたんだろう。
ピーチのことを思い出してはグッピーと重ね合わせ、
そして過去の2頭とカイルを比べ……
今は、そんな時期です。
2017年10月 グッピーの思い出
鍼灸師よっちゃんです。
人間何事も、喉元過ぎれば熱さを忘れるもので
過去グッピー、ピーチという2頭のパピーを育てたことも
楽しい思い出しか残っていない。
でも、当時はやっぱりそれなりに大変だったんだなあ。と
過去の『パピーウォーカーの報告書』を読んでいて思った。
思い出って美化されるもんだなぁ、とも(笑)
初代パピー、グッピーに関しては、とにかくピョンピョン跳ねていた、という印象が強い。
人懐っこい、元気な犬だった。
パピーウォーカーはもちろん、我が家にとっては犬を飼うのも初めてだった。
「それで大型犬なんて、度胸があるね」と犬友さんに言われたものだ。
仔犬は大変と聞いていたから、それなりに覚悟はしていたけれど
意外とできることも多くて、思ったよりは楽だった。
それでも過去の記録を読んでいると、
「引っ張る力が強くて階段を降りるのが怖い」「よく吠える」「噛んだりする」
なんて書いてある。
たしかにグッピーはおてんば女子だったけれど、
犬との立ち位置とか、相対し方とか、今ならもうちょっと上手にできるかも…という気もする。
とにかく、あの頃は「犬を飼う」ということ自体初めてで、緊張していたんだなぁ。
でもグッピーはムードメーカーでもあって、とにかく笑わせてもらった。
散歩の途中に拾い食いをしてしまうグッピー。(カイルは絶対にない)
よくわからない木の実にはもれなく興味を示していたし、実際パクリ。
それに、炎天下の道路で力尽きた干しミミズさんを食べるのが大好物だった…
最初は「やめろー!」なんて言っていたけど、最後には諦めた…。
大好きな親戚がやってくると、喜んでピョンピョン飛び跳ねる。
そして、彼のメガネを奪いハウスに隠す。宝物と思っているのかな。
それだけでは飽き足らず、彼の手に甘噛み~。
手までハウスに持っていきかねない勢いだった。
報告書を読んでいると、当時の家族の様子も懐かしく思い出される。
まだ小学校低学年だった長女と次男は、学校帰りに散歩をしている母親と合流して
一緒に帰ってくるのを楽しみにしていたっけ。
大声で兄弟げんかが始まると、ビックリしてウロウロするグッピー。
時おり「もうやめなよ」という感じで吠えたり。
部活や塾で忙しかった長男も、
帰ってくるとグッピーを枕に寝ていたりした。
あの頃は子供たちも小さくて、ワーワー騒がしい我が家だったけれど
ちょっとやそっとのことではビビらない精神を養うためには、いい環境だったでしょう(前向き)
初めて一緒に暮らす犬にみんなが夢中だったから、別れも辛かった。
グッピーを思い出しては、外出先でも号泣してしまった娘。
グッピーの匂いが染みついたタオルを嗅いでいた息子。
それだけ、グッピーとの暮らしは深い思い出をみんなの心に残した。
パピーウォーカーの独り言
カイルとのお別れを控えると、昔のことまで思い出すものです。
ふと思いついたので、カイルが来る直前のお話を…。
3代目のパピーを迎えるにあたり、名前を提出する時だったかな?
「次のパピーは、白い毛色の女の子にしてください」
と書いた私。
希望欄なんてありませんよ。余白にメモをするほど強い思いでした。
なぜかというと、やはりピーチの思い出があるからなんです。
ピーチを送り出して、やっぱり寂しくて、またパピーウォーカーを申し込んで、
そこには「もう一度ピーチに戻ってきてほしい」という気持ちがあったんだと思います。
でも、うちに来たのはご存知の通り
真っ黒な男の子のカイル君。希望と真逆!
もちろん希望制がないのは知っていましたし、通ると信じてたわけではないのですが
「男の子育てたことないし…黒いと写真撮るの難しいし…」
って、思ったとか思わなかったとか。(ごめん、カイル(;^ω^))
でも!声を大にして言いますが
やっぱり一緒に暮らすと、黒かろうが白かろうが、男だろうが女だろうが
かわいい!本当に愛おしい!!!
そしてもし、万が一、またパピーウォーカーをする機会があれば
今度は「黒い毛色の男の子にしてください」
って書いてしまうんだろうなぁ。
(しつこいようですが、希望は聞いてもらえません)
ちなみに、パピーウォーカーに関する「よくあるご質問」にも
『次の委託時には、前に飼育したパピーと同じ毛色・性別にしてほしい』
という質問の例が。
ちなみに回答:
"どのパピーをどのご家族に委託するかは、パピーの性格やパピーウォーカーの方々の家族構成・生活スタイルなどを総合的に判断して決定しております。ご希望をお伝えいただいてもお約束はできませんので、ご承知おきください。"
わかりました…わかりましたよぅ……。
こんな質問が来るということは、みんな考えることは一緒、ってことですね(笑)
10月 いよいよカウントダウンが始まった
鍼灸師よっちゃんです。
カイルが入所するまで、残すところ17日。
あと何回、一緒に散歩に行けるのか…
あと何回、豪快なしっぽブンブンに笑わせてもらえるのか…
あと何回、無防備な寝顔が見られるのか…
そんなことを考えるたび、胸がズキズキ、痛くなる。
寂しさを紛らわすツボがあればいいのに。
カイルがいなくなった生活が、今は考えられない。
散歩に行くと、気心の知れた犬友さんとの会話。
友「大きくなりましたね!どれくらいになります?」
僕「もうすぐ1年なんですよ」
友「そうですか…えっっ!ということは…」
僕「そうなんです。もう1ヶ月もせずに…」
友「えーー!!そうか…寂しいな…」
皆、我がことのように寂しがってくれる。
もちろん僕も寂しい…。
そんな会話をするたびに、泣きそうになるのをこらえる日々。
本当に、カイルが入所したら、どうなってしまうんだろう。
9月 ユーザーさんのお話を聞く
最終レクチャーも終わった9月。
実際に盲導犬と暮らしているユーザーさんのお話を聞く機会をいただきました。
お話の内容は、盲導犬を持とうと思ったきっかけや、
盲導犬やユーザーさんへの接し方など。
利用している盲導犬は、CMへの出演経験もあるという有名犬!
ユーザーさんがお話している間は、敷かれたマットの上にダウン。
お行儀のよさはさすがです。
最後に、「ユーザーさんからパピーウォーカーに伝えたいこと」というお話がありました。
もっとこうしてほしい、という要望があるのだろうと思っていたら
「トイレの躾をきちんとしてくださってありがとう。
そして、人間を好きな犬に育ててくださってありがとう。
それがあるからこそ、私たちはこうして盲導犬に助けられて暮らしています。」
という感謝の言葉をいただきました。
パピーウォーカーは排泄に始まり排泄に終わると言っても過言ではないほど。
確かにトイレのしつけは大変だったけれど、
そうやってねぎらっていただいて、本当に報われた気持ちになりました。
そして以前、繁殖犬ボランティアの方と話したことも思い出しました。
生後間もない仔犬に対して、排泄の時に「ワンツー」の声掛けをされているそうです。
確かに、うちに来たパピーたち、最初からワンツーの言葉に反応してくれていた。
思わず「ありがとうございます」と言ったら、ボランティアさんも嬉しそうだったな…。
自分も含め、たくさんの人の思いが繋がって
盲導犬を支えている。
すごく意義のあることに参加できたんだなぁと
誇らしい気持ちになりました。
そして、「人間を好きな犬に育ててくれてありがとう」という言葉。
パピーウォーカーとして完ぺきだった…なんてとても言えない私たちだけれど、
『家族みんなが愛を持ってカイルを育てた』ことだけは自信を持てます。
人間が好きで、人間との信頼関係ができていることをと褒めてもらえることは、
素直に嬉しいのでした。
終了時、特別にその盲導犬と触れ合う時間をとってくれました。
なんと、お仕事着のハーネスをとったら、はしゃぐはしゃぐ!
飛びつくは、あまがみするは おなかを見せてごろごろしまくるわ…
本当に普通の、かわいいワンコでした。
ハーネスは付けると気持ちが引き締まる仕事着…ネクタイのようなものなのでしょうか。
以前、2代目ピーチの盲導犬訓練を見たことがあります。
連れてこられたピーチはぴょんぴょん飛び回って遊んでいましたが、
ハーネスを見た途端、ピシッ!
ハーネスを付けると、
「これから何するの?」
「頑張るからいっぱい褒めてね!」
と言わんばかりに、目はキラキラ!シッポはブンブン!
まるでオーラが変わったことに驚いたものでした。
パピーウォーカーを経験する前は、
「盲導犬って人の言うこと守って我慢して、なんだかかわいそう」
なんて思っていた私ですが
今では、オンとオフを区別してそれぞれを楽しんでいるんだと思っています。
そんなことに気づかせてくれたパピーウォーカーに感謝です。